【京都】狸谷山不動院 御利益満載!宮本武蔵ゆかりのお寺

日本
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京都の一乗寺にある狸谷山不動院へ行ってきました。
訪れたきっかけは、なんてことはない。
「狸」というネーミングに惹かれたからです。
「狸のお寺?何それ、楽しそう」
という浅はかな理由です。

狸谷山不動院の最寄りの駅は叡山電鉄の一乗寺駅。

一乗寺は、宮本武蔵が吉岡一門と対決した「一乗寺下り松の決闘」で有名な場所。
駅には「宮本武蔵ゆかりの史跡」の看板がありました。

駅を出ると大きく「狸谷山不動院」の看板。
目の前に広がる山の谷間にかすかにお寺の屋根のようなものが見えます
「あれでは無いよね……。」
「まさかね……。」
などと言いながら、先へ進みます。

ひたすら坂道を上り続けるなかなかハードな道のりです。
途中、宮本武蔵が一乗寺下り松の決闘の前に立ち寄ったと言われる八大神社がありました。
非常に興味をそそられますが、まずは本日の目的地である狸谷山不動院を目指します。

20分ほどひたすら坂道を上り続けるとようやくゴールらしき看板。
お寺に到着する前に疲労困憊です。

ようやく到着。
駅からめちゃめちゃ遠い。
しかもずっと上り坂。
なんで歩いてきたんだろう。

さらに恐ろしいことに、本殿へはさらに10分、健康階段250段を上がって行かなければなりません。
250段って、建物の13階まで階段で上るのとほぼ同じらしいですよ。
日ごろ建物の3階以上へは必ずエレベーター及びエスカレーターでの移動を心がけている私には未知の領域です。

健康階段を250段上る以外に本殿へ行く道はなさそうです。
ここまで来て引き返すワケにはいかないので、本殿を目指します。

本殿へと続く入口にはタヌキが大集合。
癒やされます。
ちなみに、タヌキの置物の代名詞とも言える信楽焼のタヌキ。
信楽焼のタヌキを一躍有名にしたのは昭和天皇だそうです。
昭和天皇が信楽を訪れた際に、沿道でタヌキ(の置物)が日の丸を旗を手にお出迎え。
いたく感動された昭和天皇は、タヌキのお歌までお詠みになったのだとか。

さらに阪神タイガースの優勝記念碑も建てられていました。
タヌキは「他抜き」と置き換えらることから、他を抜く→他人よりも抜きん出る、ということで非常に縁起が良い動物だそうです。
・勝負運向上
・合格祈願
・商売繁盛
・金運向上
・出世運向上
さらに、タヌキは一度パートナーと決めた相手と一生添い遂げて、つがいが変わることはほとんどないのだとか。
そんなタヌキの習性から夫婦円満にも御利益があるとのこと。
色々縁起の良い動物です。

いよいよ健康階段を上がって行きたいと思います。
上がるというよりも、登ると表現した方が適切かと思われます。

15段上ると、狸谷山不動院の説明が記された立て札があります。
狸谷山不動院は、1687年の江戸時代に木食正善上人によって開山された真言宗のお寺。
が、それ以前に桓武天皇が鬼門封じとして不動尊を安置されたのが始まりだそうです。
ご本尊は咤怒鬼不動明王で、咤怒鬼(たぬき)が狸に変化したっぽいですね。
ちなみに鬼門とは鬼が出入りすると言われている北東の方角。
京都御所からちょうど北東の方角にこの狸谷山不動院。
さらにその直線上には延暦寺があります。
前衛が延暦寺、後衛が狸谷山不動院といった感じでしょうか。
京都を守る二重防壁ですね。

そして、お寺の中に鳥居。
白龍弁財天が祀られています。
トンネルのような空洞になっており、ひんやりと心地が良い場所です。
金運、財運アップに御利益がある神様とのこと。
ありがたや~。

さて、健康階段も残すところ200段となりました。

50段を超えたあたりでは七福神がお出迎え。
七福神に混じってタヌキもおり、ささやかな笑いを提供してくれます。
随所に御利益スポットが儲けられており、階段を上るほどに功徳が積めそうです。

99段目ではお大師様がお迎えしてくださいます。
こちらのお大師様は足腰の健康に御利益があるとのこと。
まだ半分にも到達していないとなると、私のような体力皆無の人間は
「最後まで上れるのか?」
と足腰に不安を覚えるものです。
そんな不安を払拭する心理的体力回復スポットとも言えそうです。

ひたすら階段を上ります。
ちなみにすれ違う人はほとんどおりませんでした。

到着しました。
狸谷山不動院の本殿です。
清水寺と同じ建物の一部がせり出した懸造になっています。
下から見上げると非常に迫力があります。
と、ここでドーンドーンと境内に響き渡る太鼓の音。
どうやらご祈祷が始まった様子。
なんだか「よく頑張って上って来た!」と褒めてもらっている気分です。

とりあえず、境内をぐるりと見学。
まずは宮本武蔵修行の滝。
一乗寺下り松の決闘前にこの滝に打たれて修行したとのこと。
想像していた滝とは様相が違いますが、水量の少ない時期だったのかもしれません。

不動明王が祀られており、滝が近くに流れていることもあり非常に清々しい場所です。

恵比寿様、大黒天様も祀られています。

恵比寿様、大黒天様のすぐそばには女厄坂があります。
33段の階段を上ることで、厄を落とすことができるというもの。
「また階段!」
と思いつつも、やはりこれは上っておかねば。

ちなみに男厄坂もあります。
男厄坂は42段で、若干男性に厳しい造りです。
恐らく、女性の厄年33年にちなんで33段。
男性の厄年42年にちなんで42段になっているかと思われます。

さらにこの狸谷山不動院、「トイレの神様」烏枢沙摩明王が祀られています。
金運アップ、家内安全に御利益があるとのこと。
今日一日で、金運がかなりアップした気がします。

狸谷山不動院はアニメ「有頂天家族2」の聖地巡礼場所にも指定されているとのこと。
私は原作の小説も読み、アニメも見たはずなのにすっかり忘れていました。
「そういえばこのお寺出てきてた!」
と、一人はしゃいでおりました。

入山料を払い、本殿へと進みます。
本殿は洞窟に不動明王が鎮座されており、間近まで行って見ることができます。
目が水晶で作られているとのことで、遠くから見ると目がピカッと開かれた迫力のある表情。
「なんか怖いな~」
と近づくと、あれ?思ったほど怖くない。
なんだか穏やかな表情に見えます。
不思議!

やはり不動明王の眼力が見どころのようです。
「特別参拝開催中」
とのことなので、普段は見られないのかな?
もしそうだとしたら、貴重な不動明王を見ることができてラッキーでした。

本堂の舞台にはガン封じ、病気平癒の御利益があるとのことで、柱毎に願掛けの木札が結ばれています。
木札には人型のイラストが描かれており、病院の問診票のように治して欲しい体の部分に○を付けるようになっています。

木々の間から京都の市街地が見えます。
狸谷という名前の通り、谷にあるのが実感できます。

周りを山に囲まれており、京都の市街地にある寺社とは違った落ち着きが感じられます。

再び健康階段を下り、お寺を後にしたいと思います。

山を下ると、途中に野仏庵があります。
残念ながらこの日は閉まっていました。
立て札(?)によれば、この門は西園寺公望が新撰組に追われ、潜んでいた寓居の門を移設したものだそう。
敷地内に西園寺公望ゆかりの茶室や、雨月物語の作者である上田秋成ゆかりの茶室もあるとのことです。

さらに、往路スルーした八大神社へやってきました。
宮本武蔵が一乗寺下り松の決闘で、吉岡一門と闘う前に立ち寄ったとされる場所です。
御祭神はスサノオノミコトとその妻であるイナダヒメ。
イナダヒメは古事記ではクシナダヒメという名前でヤマタノオロチ退治に登場します。
さらに、スサノオノミコトと天照大神の誓約で生まれたハチオウジノミコトが祀られています。
先に訪れた狸谷山不動院同様に、京都の鬼門を守っているそうです。
ちなみに御利益は方除、厄除、縁むすび、学業成就とのこと。

遠目に見れば宮本武蔵が祀られているのかしら?と勘違いしてしまいそうです。

境内はそれほど広くなく、鳥居からしらばく歩けばすぐに拝殿が見えてきます。

拝殿からやや離れた場所には、宮本武蔵像があります。
決闘当時の21歳をイメージして作られたとのこと。
お隣には、下り松の古木もありました。

拝殿です。
宮本武蔵が決闘の前に「勝たせて下さい」とお願いしようとして思いとどまり、
「我れ神仏を尊んで神仏を恃(たの)まず」
と後に残したとのこと。
神仏は尊敬するけど、神頼みはしないって意味ですね。
今日、散々あちこちで神頼みしてきた私の心に染み入る言葉です。
大切なことを学び、神社を後にします。

八大神社は決闘の地ではなく、実際の決闘の地はもう少し離れた場所にあります。

決闘の地です。
奇しくも、京都に攻め入る足利尊氏を迎え撃つために楠木正成が陣を構えたのもこの場所のようです。
石碑が2つ並んで建っています。
様々な時代の歴史の痕跡が残っているのは、さすが京都だなと思いました。

さて、一乗寺は京都でも屈指のラーメン激戦区。
有名店のラーメンを食べて帰りたいところではあります。
しかしこの日は、階段の上り下りに加えて、ほぼ歩きっぱなしで疲労困憊。
ここから、ラーメン屋を探す体力もなければ、すでに行列ができているラーメン屋に並ぶ気力もありません。
ということで、出町柳まで帰ります。

「もう歩きたくない!」
ということで、出町柳駅のすぐそばにある「おむらはうす」へ。

お店の看板を見て「これしかない!」と決めていたとろ湯葉オムライス。
卵の中はひじきご飯で、湯葉がてろ~んと贅沢にかかっています。
出汁の風味がきいていて、オムライスというよりも創作だし巻き卵を食べているような感じ。
そして、和風の味付けなのでしつこくなくて、最後まで美味しい。

もう一品は和風オムライス。
そぼろと出汁の風味でこちらも絶品。
下調べなどはせずに飛び込みで入ったお店でしたが、大正解!

さて、おむらはうすでHPを回復し、もう一踏ん張りやってきたのは和菓子屋さんの満月本店。
京都を代表するお土産「阿闍梨餅」をゲットします。
店内は阿闍梨餅を買い求めるお客さんがひっきりなしに訪れ大賑わい。
阿闍梨餅の求心力に改めて驚かされました。
私たちも、無事に阿闍梨餅を入手し帰路に就きます。

 

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