ボッケ遊歩道へ。森の中でエゾシカに遭遇
チャージしたカロリーは消費せねば。
ということでいよいよ観光へ向かいます。

ホテルを出てすぐの場所には足湯がありました。
「幸せの湯」とは、なんとも素敵な名前ですね。

阿寒湖周辺では、この時期、夜になると「カムイルミナ」と呼ばれる体験型ナイトウォークが開催されているそうです。
「何やらおもしろそう」
と興味は湧いたものの、昨夜お部屋の露天風呂に入った時点で、外はかなりの寒さ。
本格的な防寒着は持ってきていない私たち。
「寒さには勝てない」
と早々に断念してしまいました。

さて、まずはボッケ遊歩道へ向かってみます。
事前にホテルのスタッフに確認したところ、本格的なトレッキング装備でなくても、スニーカーなどの歩きやすい靴なら大丈夫とのこと。
今回は無理をせず、比較的短いルートを歩いてみることにしました。

なんとも気持ちの良い、緑に囲まれた遊歩道です。
すれ違う人の中には、がっつりトレッキング装備の方もいましたが、今のところ道はなだらか。
とはいえ、ここは北海道の森。
長いルートを歩く場合は、装備はもちろん、クマの出没情報なども事前に確認しておきたいところです。

そして、なんと!
鹿です。
ホテルのスタッフから「鹿も見られますよ」と聞いていましたが、本当にいました。
少し離れた場所には小鹿の姿も。
どうやら親子のようです。
奈良の鹿と比べると、やや大きめの印象でしょうか。
せっかくの自然の中でのひととき。鹿を驚かさないように、そーっと通り過ぎます。

さて、遊歩道は起伏が少なく、なだらかな道が続きます。
しかも、このときは人間にちょっかいをかけてくる虫もほとんどいません。
「ぺふっ、何か飛んできた」
「ぎゃっ! 地面に得体の知れない生き物が!!」
「ぷわっ、蜘蛛の巣が絡んだ」
といった林道しか知らない私にとっては、もはや異世界ファンタジーの世界です。

しばらく森の中を歩いていると、湖畔に出ました。
近くで見ると、阿寒湖の水の美しさがより一層わかります。
木々に囲まれ、澄んだ空気に触れているだけで、心も体も浄化されていくような気分です。

さらに進むと「マリモの唄の碑」を発見。
そばにある丸い石は、マリモを模しているのでしょうか。
地面から泥が噴き出す!ボッケの不思議

さらに先へ目を向けると、地面から蒸気が上がっているのが見えます。
どうやら、お目当ての場所が近づいてきたようです。

蒸気を目指して進んでいくと……。
到着しました!
「ボッケ」です。
地面から灰色の泥がボコボコと湧き上がっています。
なかなかの迫力です。
じんわりとした熱気も伝わってきます。

「この泥、美容に良さそうだな」
などと、くだらないことを考えてしまいました。
ところが、なんでもこの湧き上がる泥は100℃近くにもなるのだそうです。
泥パックなんて、とんでもない!
高温の泥や火山ガスが噴き出している場所なので、柵の外から安全に見学しましょう。

それにしても、至るところでボコボコ、ボコボコ。
地底から今にも巨大生物が誕生しそうな迫力です。
ちなみに、ボッケ周辺は地熱が高いため、真冬でも雪がほとんど積もらないのだとか。

さらに驚いたことに、この周辺には温暖な地域や亜熱帯地方に見られる植物も自生しているそうです。
寒さの厳しい北海道で、暖かい地域の植物が育っているとは!
ボッケ恐るべし。
植物の生命力にもびっくりです。

そして、なんとコオロギの生息環境も大切に守られています。
地熱によって地面が暖かく保たれているため、冬でも活動できるコオロギの仲間がいるのだそうです。
北海道の厳しい冬でも、地面の下から届く熱に支えられて生きているんですね。
普段は何気なく見ているコオロギですが、こんな話を知ると、ちょっと見る目が変わりそうです。

それにしても、地下から泥が湧き上がり、冬でも雪が積もらず、暖かい地域の植物やコオロギが生きているとは。
まさに地球のエネルギーを感じられる場所。
いろいろな意味で、パワースポットと言えそうです。
エゾリスにも遭遇。森の散策はまだまだ続く

ボッケをあとにして、美しい森の中をさらに進んでいきます。
木々に囲まれた静かな遊歩道は、歩いているだけで気持ちがいい。
近所にあれば、毎朝の散歩コースにしたいくらいです。

すると、今度はエゾリスに遭遇!
スルスルと木々の間を移動する、素早い動き。
なんとか一瞬止まったところを撮影できました。
さて、どこにいるかわかりますか?

さらに進むと、今度は湿地エリアに出てきました。
これはもしかして、足を踏み入れるとズブズブと沈んでいくやつでは?
そんなことを想像してしまいます。
自然を守るためにも、遊歩道から外れないように気をつけて進みましょう。
今回歩いたボッケ遊歩道は、写真を撮ったり景色を眺めたりしながら、のんびり約1時間。
距離はそれほど長くありませんが、北海道の豊かな森や野生動物、そして地球のエネルギーまで、さまざまな自然を体感できました。
道はほぼ平坦なので、体力にあまり自信のない私でも、周囲の景色を楽しみながら歩く余裕がありました。
阿寒湖畔ビジターセンターで自然とアイヌ文化を学ぶ

そして、今回の散策の終点、阿寒湖畔ビジターセンターに到着です。
まずは木彫りの動物たちがお出迎え。
緻密に再現された動物たちの造形は、今にも動き出しそうなほどの迫力です。

館内では、阿寒湖周辺に生息するさまざまな生き物が紹介されています。

阿寒湖といえば、やはりマリモ。
マリモ自体は、実は阿寒湖だけに生息するわけではありません。
本州の山中湖や琵琶湖などでも生育が確認されているそうです。
ただし、大きくてきれいな球状のマリモが群生しているのは、国内では阿寒湖だけなのだとか。
あのまん丸な姿は、実はとても珍しいものだったんですね。

続いては、幻の魚「イトウ」。
こちらは絶滅危惧種として紹介されています。
そういえば、昨夜の夕食でもいただきましたね……。
イトウはサケ科の魚で、野生の個体数が減少している希少な魚なのだそうです。
阿寒湖に元々生息していた野生のイトウも、絶滅したとされています。
昨夜は美味しくいただきましたが、こうして生態を知ると、その希少さを改めて実感します。

そして、シマフクロウのレプリカの大きさに驚愕!
なんと、翼を広げると約180cmにも達するそうです。
日本最大のフクロウとは聞いていましたが、まさかここまで大きいとは。
真夜中の森でこんなに大きなフクロウに出会ったら、さぞかし驚くでしょうね。

さらに、アイヌ文化を紹介する展示コーナーもありました。

こちらは鹿革で作られた靴「ユクケリ」。
「こういう靴、『ゴールデンカムイ』でアシリパさんが履いていたなぁ」
と思わず反応してしまいました。
見るからに暖かそうです。

そして、こちらは「マキリ」。
アイヌの人々が生活の中で使ってきた小刀です。
これもアシリパさんが持っていましたね。
考えてみれば、私のアイヌ文化に関する知識は、ほぼ『ゴールデンカムイ』由来です。
漫画で見た道具を実物の展示で見ると、なんだか親近感が湧いてきます。
アイヌ文化に興味がある方はもちろん、『ゴールデンカムイ』好きの方にも楽しめる場所ではないでしょうか。

休憩がてら立ち寄った阿寒湖畔ビジターセンターでしたが、想像以上に見どころ満載。
ボッケ遊歩道で実際に自然を体感し、ビジターセンターでその背景を知る。
この順番で巡ったことで、阿寒湖の自然がより一層興味深く感じられました。
さて、阿寒湖観光はまだまだ続きます。
次回はアイヌコタンと阿寒湖遊覧船へ向かいます。
