アイヌコタンへ。期待していたものとは少し違う?
阿寒湖畔ビジターセンターをあとにして、次はアイヌコタンへ向かいます。

美しい湖の景色を眺めながら、のんびりと散策。

20分ほど歩いたでしょうか。
アイヌコタンに到着しました。

まず出迎えてくれたのは、巨大なシマフクロウのオブジェ。
さすがに原寸大ではないと思いますが、その迫力に圧倒されます。
アイヌ文化では、シマフクロウは「コタンコㇿカムイ(村を守る神)」として大切にされてきたのだそうです。
なるほど、納得の存在感ですね。
さて、今回訪れたアイヌコタン。
アイヌの歴史や暮らしについて、展示などを通してじっくり学べる場所を想像していたのですが、実際には木彫りや刺繍などの民芸品を扱うお店が立ち並ぶ、観光商店街のような雰囲気です。
もちろん、こうした伝統工芸もアイヌ文化の大切な一部。
ただ、今回は歴史や生活文化についてもう少し詳しく知りたかったので、正直なところ、少し期待していたものとは違いました。

それにしても、先ほどまで散策していたボッケ遊歩道とは打って変わって、人も車も多い。
「こんなに人がいたのか!」
と、少し驚いてしまいました。
そして、なんとも不思議なのが、この場所から感じる昭和レトロな雰囲気。
お土産物屋さんに並ぶ木彫りのクマを見ていると、子どもの頃の記憶がよみがえってきます。
昔は、どこの家にも木彫りのクマが置いてありましたよね。
あとは、なぜかマリモのキーホルダーも持っていたなぁ。
「あのマリモは本物だったのかしら?」
……そんなわけないか。
などと、思いがけず昭和の思い出に浸ってしまいました。

さらに進むと、伝統的な建物を模したような建物を発見。
中をのぞいて見学できるのでしょうか?
と近づいてみると、どうやら現在は倉庫として使われている様子。
なるほど、実用的です。

そして、アイヌシアター「イコㇿ」へ。
こちらでは、アイヌ古式舞踊のほか、現代舞踊やデジタルアートを融合させたショーなども上演されているそうです。
個人的には、伝統的な舞踊をじっくり鑑賞してみたいところ。
ただ、次の公演までの待ち時間が、なんとも微妙。
お昼を食べるには短すぎて、かといってその場で待つには長すぎる。
本来の予定にはなかったこともあり、今回は残念ながら諦めました。
あとから調べてみると、アイヌコタンでは伝統工芸や文化を体験するプログラムなども用意されているようです。
今回は商店街を散策しただけでしたが、次に訪れる機会があれば、事前に予定を立てて、もう少しじっくり文化に触れてみたいですね。
阿寒湖遊覧船へ。晴れたと思ったら雨、そして霧!

アイヌコタンから湖畔を歩き、観光船乗り場に戻ってきました。
いよいよ阿寒湖遊覧船に乗船します。
ちなみに、遊覧船の乗り場は2か所。
「まりもの里桟橋」と「幸運の森桟橋」です。
私たちが乗船したのは、ボッケ遊歩道側にある「まりもの里桟橋」。
こちらが運航の起点となっており、先に乗船できるため、好みの座席を確保しやすいのが嬉しいところです。

実際、出発してまもなく次の桟橋でお客さんが乗船すると、船内は一気に混み合いました。

阿寒湖に浮かぶ島々の紹介を聞きながら、船は穏やかに進んでいきます。
湖上から眺める阿寒湖は、湖畔から見た景色とはまた違った趣がありますね。

ところが、湖の中ほどまで進むと……。
雨です。
しかも、寒い!
風まで強くなってきました。
湖畔では比較的穏やかだったのに、湖の上ではこんなに天候が変わるものなのでしょうか。
それとも、ちょうどお天気が悪くなってきたタイミングだったのか。

さらに進むと、今度は霧まで発生しています。
これはもう、ジャングルクルーズさながらの冒険クルーズです。
しかも、この不穏な景色。
今にもカリブの海賊が現れそうではありませんか。
……それはまた違うアトラクションですが。
チュウルイ島で知る、マリモの驚くべき生態

そして、遊覧船はチュウルイ島に到着。
ここでいったん下船します。

島からは壮大な阿寒湖を一望できます。

が、今回の目的は阿寒湖の景色ではありません。
このチュウルイ島には「マリモ展示観察センター」があるんです。
というより、島の見どころはほぼマリモ展示観察センター。
トイレすらありません。
ちなみに、トイレは船内にありますのでご安心を。

さて、いよいよマリモとご対面。
展示されているマリモは、なんと最大直径30cmにもなるそうです。
展示によると、大型の球状マリモは5〜9年ほどの周期で成長と崩壊を繰り返すのだとか。
さらに、近年の研究では、直径5cmほどの球状マリモが30cmになるまでに、およそ20〜28年かかると推定されているそうです。
それにしても、直径30cmのマリモとは。
あの小さくて丸いマリモが、そんなに大きくなるなんて驚きです。

そして、さらに衝撃的な事実が発覚。
大きく育った球状マリモは、なんと崩壊することがあるのだそうです!
えぇぇ、せっかく大きくなったのに……。
なんて儚いんでしょう……。
しかし、驚くのはここからです。
崩れたマリモの破片が、再び湖の中で成長し、新しい球状マリモになることもあるのだとか。
つまり、崩壊してすべてが終わり、というわけではないんですね。
まるで星の一生のよう。
生まれ、成長し、やがて崩れ、その一部が次の世代へとつながっていく。
なんとも壮大な生命の営みです。
ここまで不思議な生態を持つマリモ。
その奥深さを知ってしまうと、あの「まりもっこり」というネーミングとのギャップに、思わず笑ってしまいます。
マリモの唄に送られて、遊覧船の旅も終了

マリモ観察を終え、船へ戻ります。
マリモ展示観察センターは、想像以上に見応えのある施設でした。
まさかマリモの成長から崩壊、そして再生まで、その不思議な生態を学べるとは。
マリモの転生物語をダイジェストで見たような気分です。

チュウルイ島を出発すると、船は桟橋を目指して進んでいきます。
すると、船内に哀愁漂う歌声が。
どうやら「マリモの唄」が流れているようです。
あっ!
そういえば、ボッケ遊歩道に「マリモの唄」の歌碑がありましたね。
「ああ、あれはこの歌だったのか!」
頭の中でシナプスがつながり、なんともスッキリ。
それにしても、今回は予想以上に見どころ満載のクルーズでした。
天候が目まぐるしく変わる阿寒湖の景色に、マリモの驚くべき生態。
観光船に乗らなければ知ることのできなかった阿寒湖の魅力を、存分に楽しむことができました。
さて、次はホテルに戻って、少しのんびり過ごしたいと思います。
